銀座七丁目。重厚な扉を開けると、凛とした空気の中に、柔らかな笑顔がある。その人こそ、「銀座 凛 にしむら」のオーナー・西村英典氏。2018年の開店から、わずか一年でミシュランの星を獲得し、今も多くの食通を惹きつけてやまない寿司職人だ。
FLYING FOODSは今回、そんな西村氏から寿司と向き合う姿勢とともに、特別に「ご家庭でも再現できるプロの味」を教えてもらった。寿司屋のカウンターで生まれる“技と心”を、家庭の台所にも届けたい。その想いから、特製レシピを公開する。
喜びが原動力であること
西村英典氏
西村氏が「料理人になりたい」と思ったのは、幼少期の記憶がきっかけだった。家族のために作った料理を囲み、笑顔が生まれる。その光景が嬉しかったという。
「“美味しい”って言葉をもらうと、自分も幸せになれたんです。その瞬間に、“料理で人を笑顔にしたい”って思った。」
18歳のとき、上京して寿司屋の門を叩く。麹町、表参道、赤坂と修行を重ね、2018年に「銀座 凛 にしむら」を開業。翌年にはミシュラン一つ星を獲得する。けれど、西村氏の関心は“星”そのものではなく、「人の心に届く寿司を握れるか」にある。
技を超えた“心の修行”

修行時代、親方から何度も言われた言葉がある。
「料理だけうまくても、寿司屋にはなれない。」
それは、挨拶の仕方、お客様の姿勢を見極める目、料理を出す間合い。どれも“心”の修行だった。「美味しい寿司は、技じゃなくて空気で決まる」と西村氏は言う。店の温度、声のトーン、リズム。お客様の緊張をほぐし、自然に心がほどける空間をつくる。それが、彼にとっての「寿司を握る」という行為の本質だ。
家庭で味わう、銀座の技
そんな西村氏から、今回は特別に「家庭でもできるプロの味」を教わった。それが、銀座 凛 にしむら特製「タコの柔らか煮」。
特製のタコの柔らか煮
下処理から火入れまでを丁寧に重ねることで、驚くほど柔らかく仕上がる。家庭でも挑戦できるよう、工程を分かりやすくしてもらった。
【特製レシピ】銀座 凛 にしむら「タコの柔らか煮」
●材料(目安分量)
・生タコ … 適量
・粗塩 … 適量(ぬめり取り用)
・かつおだし … 200〜270ml(濃いめは200ml/あっさりは270ml)
・酒 … 180ml
・みりん … 180ml
・醤油 … 180ml
・砂糖 … 180g(控えめなら160gでも)
・お好みで里芋などを加えても美味
●下ごしらえ
1. 冷凍タコは冷蔵庫で自然解凍。
2. 粗塩をふってもみ洗いし、ぬめりを取る。
3. 吸盤の汚れも丁寧に洗い、水でよくすすぐ。
4. 一度塩をした後、流水で塩を抜き、冷蔵庫で一晩寝かせる。

【調理手順】
1. 鍋にだし、酒、みりん、醤油、砂糖を入れて中火で加熱。
2. 砂糖が溶けたらタコを入れる。
3. ラップとアルミホイルで包み、弱火で約50分蒸し煮にする。

【ポイント】
・蒸し煮にすることで味が濃くならず、ふっくら仕上がる。
・甘さは砂糖量で調整可能。
・シンプルにタコだけでも、野菜を加えても良い。
「料理って、食べた瞬間よりも、作っている時間の方が幸福なんですよ。誰かの笑顔を想いながら台所に立つ。その感覚こそ、寿司職人の原点だと思います。」
「おすしでえがお」──寿司を通して、社会へ還す
コロナ禍の最中、西村氏はNPO法人「おすしでえがお」を設立した。児童養護施設を訪れ、子どもたちに寿司を握る活動を続けている。

「自分がこうして仕事を続けられるのは、支えてくれる人がいるから。だからこそ、寿司を通して何かを還元したいと思ったんです。子どもたちに“また来るね”と言って帰る大人がいる。
その約束が、希望になるんじゃないかと思って。」

この活動は単なる食の提供ではない。“人を想う”という寿司哲学そのものの延長線上にある。
銀座で、そしてその先で
「銀座 凛 にしむら」は、席数を絞った構成になっている。一人ひとりの表情が見える距離で、寿司を通じて会話が生まれる。
「“食べに来たよ”じゃなく、“会いに来たよ”と言われるような店でありたい。」
その想いを胸に、日々、寿司を握り続けている。そして今、西村氏は新たな挑戦も見据えている。FLYING FOODSとの出会いをきっかけに、“家庭で楽しめる寿司屋の味”をテーマにしたプロジェクトを構想中だ。職人の哲学を、より多くの人の日常へ。その手が生み出す笑顔の輪は、これからも広がっていく。
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銀座 凛 にしむら
住所:東京都中央区銀座7-2-8 東建ビル B1
営業時間:昼 12:00 最終入店/夜 17:30〜22:00
定休日:不定休(完全予約制)
公式サイト:http://ginza-rin.com/
